生活者の声をはじめとしたVoCデータを価値に変えるためにInsight Techができること

生活者の声をはじめとしたVoCデータを価値に変えるためにInsight Techができること

本記事でお伝えしたいこと

  • 「お客様の声」をはじめとするVoCデータは「生活者・ユーザーの気持ちが表現された本音のデータ」であり、そこに隠れたヒントを活用できるか、「イノベーションの種」とできるかがビジネス成功の重要なカギ
  • VoCデータはテキストデータであるがゆえに扱いにくいとの固定観念が持たれがちだが、私たちInsight Techが持つテクノロジー、データを活用することで仕組み化が可能
  • システム開発不要で今日からでもご提供可能な「パッケージサービス」だけでなく、専門知識に精通したデータサイエンティストを中心として、課題をもったクライアント様と直接対話を重ねながら個社の課題に応じて1からソリューションを開発する「カスタマイズサービス」も提供可能

生活者の声を価値に変える

私たちInsight Techは「声が届く世の中を創る」ことを目指して事業を行っています。生活者の声に込められた本音をテクノロジーによって炙り出すことで、生活者の声を新しい価値につなげたいと考えています。

そこでカギとなるのは、生活者の声を集めたVoCデータです。VoCというとお客様・顧客の声(Voice of Customer)という意味で使われがちですが、広く捉えると法人クライアントの声(Voice of Client)、従業員の声(Voice of Colleague)、市民の声(Voice of Citizen)も含まれた、つまり「生活者・ユーザーの気持ちが表現された本音のデータ」だと私たちは考えています。具体的には以下のようなものです。

  • 自社のカスタマーセンターに届く声
  • SNSで語られ、拡散されるネット上の意見
  • 満足度調査やNPS調査に記された意見
  • レビューサイトに集まる評価の意見

これらVoCデータを収集している企業は多いと思いますが、VoCデータの多くはテキストデータであるがゆえに「扱いにくい」との固定観念が持たれがちで、結果として「宝の持ち腐れ」となっていることも多いのではないでしょうか。

そんなVoCに隠れたヒントを見つけ出し、新たな価値として活用するために、市場の多様化・デジタル化などを背景に改めてVoC活用を重要なビジネステーマとする企業が増えてきています。例えばコンビニエンスストアを展開する「株式会社ローソン」では、顧客価値の創造を徹底追求する体制を強化するため、2022年1月、コンタクトセンター統括と消費者調査機能を有した「CS推進室」を社長直轄に新設しています。まさにVoCを価値につなげるための経営判断といえます。また、無印良品ブランドで知られる「株式会社良品計画」では、ユーザーの声を聞くためのオンラインコミュニティ「IDEA PARK」を長年運営しており、そこで得られたリクエストを商品に反映しています。まさしくVoCを活用して商品開発、改善を進める先進的な事例といえます。

VoCデータはクレームをはじめとした「トラブルの種」と思われがちです。しかしながら、これからは「イノベーションの種」として隠れたヒントを活用できるかがビジネス成功の重要なカギとなると私たちは考えています。

VoC活用をするためにInsight Techが持つテクノロジー:アイタス

VoCデータを活用すると言っても、ビッグデータのテキストを詳細に読み込み、その中から生活者のインサイトを読み解くのは気の遠くなるような作業です。この課題を解決に導くのが、私たちが独自開発した文章解析AIエンジン「アイタス」です。

従来の単語レベルのテキストマイニングですと、どういうトピックに対する言及が多いかというのは把握可能でしたが、そのトピックに対して具体的に何が言われているのかを深掘りするのは難しく、原文を読み込む必要がありました。例えば寝具に対するVoCが集まっている中から「枕」への言及が多いことを特定することは従来のテキストマイニングでも容易です。一方で、「枕」のどこに課題があり、どういう解決策を取ればよいのか、その解釈はこれだけでは容易ではありません。具体的には「枕」が「硬い」ことに対する要望が言われているのか、それとも「枕」が「高い」ことに不満を感じているのかを深掘りするにはもうひと作業が必要で、そこがVoCを使いこなせないポイントにもなっていたと考えています。

そこで私たちは長年の京都大学との協働により、単語レベルの枠を超えて構文レベルでVoCデータを解析する技術を開発、活用しています。これによって「何に対するどんな意見か」を炙り出すことが可能になっています。

この「何に対するどんな意見か」を炙り出すエンジンが「アイタス 意見タグAI」ですが、私たちのテクノロジー基盤となる「アイタス」として、類似する意見を束ね俯瞰・定量化する「アイタス 可視化AI」や、感情のポジネガを分類し意見を重みづけする「アイタス 感情分類AI」も開発してきました。これらのエンジンをはじめとしたテクノロジーを活用することで、VoCデータを活用、仕組み化するサービスを提供しています。

アイタス

VoC活用をするためにInsight Techが持つデータ:不満買取センター

VoCデータの活用に向けて私たちが運営しているのが「不満買取センター」です。生活者のバイアスのない本音が込められた「不満」を収集するプラットフォームとして運営しており、2024年1月現在で4,000万件を超える不満が集まっています。

不満買取センターに集まる生活者の不満も当然VoCデータの1つであり、マーケティングに活用可能な「イノベーションの種」です。また「イノベーションの種」としての活用だけでなく、生活者の声が収集されたコーパスとして「アイタス」の継続的な学習にも活用しています。不満買取センターを通じて、今の生活者の日本語の使い方や新たなトピックが日々蓄積されますので、高品質で汎用性のある学習データを用いたライブラリの構築を実現しています。

Insight Techが提供可能な、VoCデータを活用できるサービス

前述したテクノロジーやデータを活用することで、私たちはVoCデータを活用するためのサービスを展開し、さまざまな企業にご活用いただいております。私たちが提供できるサービスは大きく以下の2種類です。

1, パッケージサービス:システム開発不要で今日からでもご提供可能な、VoC活用を仕組み化するサービスです。
2, カスタマイズサービス:パッケージサービスだけでは解決できない各社の課題に応じて、文章解析AIアイタスをベースにカスタマイズ。分析・PoCに留まらず、システム開発~業務実装・SaaSプロダクトプロデュースまでを一気通貫でご支援するサービスです。

まずパッケージサービスについて、以下の3種類のサービスを簡単にご紹介します。これらはシステム開発不要で、すぐにでもVoC活用を仕組み化することができるサービスです。

1, 不満ファインダー 〜ユーザーの声を浴び、次の「答え」を見つける〜

  • 前述した不満買取センターに集まる生活者の声を様々な角度から分析することができるダッシュボードサービスです。
  • 生活者の不満に隠れた本音をスピーディーに炙り出し、商品企画や新規事業開発をすばやく成功に導きます。

2, アイタスクラウド 〜ユーザーの想いと経営の意志を繋ぐ〜

  • 各企業が保有するVoCデータを俯瞰的に分析・可視化することができるダッシュボードサービスです。
  • VoCデータの量やそこに込められた感情、時系列で見た意見の変化を可視化することで、優先的に対応すべき課題を炙り出し、ワンストップで意思決定に繋げます。

3, ideAI 〜AIで出会えるアイデア〜

  • 大量のVoCデータの中から、【新奇性が高く】&【貴社にとって有望な】意見・行動を見つけ出すサービスです。
  • 既に知っている意見、見慣れた意見ではなく、新たなアイデアとの出会いを提供します。

各パッケージサービスの詳細はぜひ各サービスページでご確認ください。

カスタマイズサービス:パッケージサービスだけでは解決できない課題の解決もご一緒します

前述のパッケージサービスはVoCデータを活用して広く課題を捉えられるように汎用的に作られたサービスになります。それゆえにシステム開発不要なのですが、一方でこれでは痒いところに手が届かない、自社の課題に対応しきれない、といった場合もあります。そこで弊社ではパッケージサービスだけでなく、個社の課題に応じて1からソリューションを開発する「カスタマイズサービス」も提供しています。カスタマイズサービスでは、専門知識に精通したデータサイエンティストを中心として、クライアント様と対話を重ねながら、その業務プロセス改革につながる突破口を多角的に検討していくことで、VoCを活用して個社の課題にフィットするソリューションをご提供します。

カスタマイズサービスについて、以下の5種類のソリューションを簡単にご紹介します。

1, アイタスリスク判定AI

  • お客様から寄せられるお問い合わせの中から、トラブルに発展するようなリスクの高いお問い合わせを事前に特定します。
  • 「お客様から寄せられるお問い合わせが多数あるが仕分けや優先付けの負荷が高い」「結果として対応すべき課題が後回しになり、顧客の満足度低下につながっている」等の課題をお持ちの場合にフィットするソリューションです。高リスクのお問い合わせを自動的に判定し、先回りした対策を行うことを可能にすることで、顧客満足度の向上に繋げるとともに、仕分けや優先付けの負荷軽減を実現します。
  • テキストから予兆をとらえ、ある事象が発生する確率を数値化・判定する技術を活用しており、作業報告書を起点としたトラブル・リスクの検知等にも展開可能です。

2, アイタス要望カテゴライズAI

  • お客様からの改善要望を特定の軸に基づいて自動的に整理、分類します。
  • 「サービス改善のために広くお客様からの改善要望を集めているが、整理の負荷が高く俯瞰した施策立案ができていない」等の課題をお持ちの場合にフィットするソリューションです。分類を自動化することで集中すべき課題の把握やCX改善への注力を可能にするとともに、整理の負荷軽減や属人化解消に繋げます。
  • テキストを事前に設定した分類項目に仕分ける技術を活用しており、SNSやコミュニテイ内の発言内容の分類や、口コミテキストの仕分け等にも展開可能です。

3, パーパス可視化AI

  • 企業やブランドのパーパスの浸透度をスコアリングし、可視化します。
  • 「企業や商品ブランドのパーパスを策定してみたは良いものの、社内や社外でどこまで浸透しているのかわからない」等の課題をお持ちの場合にフィットするソリューションです。生活者や社員等のパーパスに沿った発話の発見や、解像度が高い話題・テーマの把握を可能にし、次に取るべきアクション・示唆の発見に繋げます。
  • 複数の軸に対するテキストの類似度を可視化する技術を活用しており、レビューコメントを利用した映画や音楽の特徴・情緒価値のレーダーチャート化や、エントリーシートを利用した求職者のタイプ・志向のレーダーチャート化等にも展開可能です。

4, アイタス需要予測AI

  • 商品に対するお客さまの反響・評価と売上の関連性を学習し、客観的に需要を予測します。
  • 「商品ラインナップやニーズが多様化する中、生産計画が感覚的、属人的になってしまい、機会損失、過剰在庫につながっている」等の課題をお持ちの場合にフィットするソリューションです。お客様の声をもとにしたエビデンスのある生産計画策定を可能にするとともに、売れる商品に共通する要素を炙り出すことで次の商品開発へのヒントにも繋げます。
  • ある事象の結果とテキストの関連性を学習し、テキストから未知の結果を予測する技術を活用しており、過去の従業員アンケートと離職結果を学習する離職リスク判定等にも展開可能です。

5, アイタスセールスチェックAI

  • 営業と顧客との商談、会話内容を可視化、評価することで、商談の改善点を炙り出します。
  • 「営業と顧客との間でどういう商談が行われているのかがブラックボックス化してしまっている」等の課題をお持ちの場合にフィットするソリューションです。商談の内容を文字起こし、可視化することで、行われている商談の流れを把握可能にするとともに、より良い商談を行えるメンバーの育成に繋げます。
  • 会話/発言内容のテキストから、一定の基準や指標に基づいているかを評価・チェックする技術を活用しており、通話内容からのコンタクトセンターOP評価や、動画コンテンツの内容評価等にも展開可能です。

これらのソリューションが解決してきた課題に思い当たる節がある方はぜひInsight Techにご相談ください。なお、各ソリューションの詳細については別途記事を順次公開していく予定です。

また、ここに掲載したソリューション以外にも対応可能です。「VoCを活用したいんだけどうまくできない」「どうすればよいかわからない」等の漠然としたお悩みについても、私たちInsight Techがお話を伺い、どこが課題なのかを議論するところからご一緒させていただきます。特定された課題の解決、ひいては業務プロセス改革に向けて伴走しますのでぜひご相談ください。


ここまで、VoCデータの活用と私たちInsight Techができることについて述べてきました。

私たちInsight Techは、これまで、世界唯一の「不満買取センター」を通じて生活者の声を収集し、このVoCから改善のヒントを探り、新商品・新サービスを企画・開発するご支援を長く続けて参りました。この事業を通じて培ったInsight Tech の技術力・洞察力・実装力は、文章解析AIエンジン「アイタス」として進化し、各企業が抱えるVoC活用にまつわる課題を解決するエンジンとなりました。

「VoCデータ ✕ 文章解析AI」で、社会に価値をもたらす。そして声が届く世の中を創る。

皆様と声が届く世の中を共創できるのを楽しみにしております。

Date
2024.1.30
Category
コラム
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2012年6月設立。不満買取センター運営。

マーケティングリサーチを通じ商品・サービス強化・ブランディングを支援。

独自の自然言語処理技術を活用し、

AI(人工知能)モデル構築からシステム開発・運用までをワンストップで提供。

2012年6月設立。不満買取センター運営。 マーケティングリサーチを通じ商品・サービス強化・ブランディングを支援。

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